子供の意思を尊重するということ

子供の意思・意見を尊重するのはとても大切な事です。


しかし「子供の意思を尊重する」とは「親は意見を言ってはいけない」ということではありません…


それを間違えて


「うちは子供の意思を尊重しています」


と言って親が自分の意見を子供に言うことを恐れて


「あなたが決めて良いのよ」


とゼロからの選択を迫るのは、


決断を要する事象なら、子供は『全ての責任を押し付けられた』と思うでしょう。


何が正しいのか分からずに迷っている時なら『見放された…』と思わせてしまうでしょう。


これでは親の意図とは違い、子供の自信を奪う行為となってしまいます…


親が子供にどんな風になって欲しいのか、どんな事を期待しているのかを具体的に伝えることは、程度の問題はありますが、決してそれ自体が悪いことではありません。


「私はあなたにこうなって欲しいと思っている」

「あなたなら出来る(続けられる)と信じてる」


親が期待していることを伝えることは、裏を返せば『たとえ困難でもあなたなら乗り越えられると信じているよ』『あなたの事を信じている』と子供に伝えていることにもなるんです。


親の気持ちを伝えれば、子供が答えを出そうとした時に『親が自分の為に言ってくれた事だからコレは間違っていない答えの1つだ』と思うことが出来ます。


大人がいくつかの判断基準や情報を十分に提案・提供した上で、最終的に子供に判断を委ねるのが本来在るべき『子供の意思を尊重する』の形だと思っています。


(注:期待を伝えるとしても『元気で明るい子』『立派な大人』など抽象的なキーワードは子供が判断に困るのでNG)


ちなみに子供の意思を尊重しないというのは、ご褒美や指示・命令などで子供を支配し行動をコントロールしようとすることです。


親の期待は上手く伝えれば、子供の自信やヤル気の源になります。


もちろん親の期待に応えるかどうかは子供が決める事ですが、親の言葉は子供の行動の規範になったり、悩んでいる子供の行動を後押ししたり、全く違う他の行動への自信に繋がることもあります。


『子供は親の期待を満たす為に生まれてきた訳ではない』


これは絶対に忘れてはいけない事ですが、子供に何も言わないのは『あなたには出来ないと思って私は諦めています』と伝えているのと同じようなものです。


過度な期待は子供のプレッシャーになりかねませんが、何事もさじ加減が大切で子供の向上心は親の言葉掛けで劇的に変わります。


何となく最近よく言われている「子供の意思を尊重する」と言う言葉を『子供の意思決定に親は口を出してはいけない』みたいな認識で捉えられ、間違えた対応が子供のプレッシャーになっていないか心配になって今回書かせて頂きました。


習い事をされてる方だけでなく、今後の子育ての参考になればと思います。