試合や審査に挑戦するお子様をお持ちの方へ

前回の続きではなく、少し内容が変わることをご了承下さい。

 

お子さんが試合に出る時、審査を受ける時、「勝たせてあげたい」「良い結果にしてあげたい」こういう気持ちを持つのは親として当然だと思います。

 しかし、目標に向かって自分なりにやっている子供に対して口を出す行為は、大会や試験の後に大きな差を生んでしまいます。

 例え話の得意ネタである料理の話で例えると、

 「あの料理を作ってみよう!」と思って旦那さんに「○○作りをやってみようと思うの」と言った時、旦那さんが「いつもお前の料理を食べてるから、お前の料理の味のことは良く分かるんだ。何がダメとか分かるからアドバイスしてあげるよ」と言われたら最初にテンション下がりませんか?

 料理中に「もう少し塩入れたほうが美味しくなるぞ」「あぁ~それは煮過ぎだよ~だからいつも柔らかくなり過ぎるんだよ」「火から目を離すなよ!危ないなぁ」なんてアドバイスをしながら見ていたらどうですか?(多分言われている方はアドバイスではなく嫌味に聞こえますよね?)

 もし、その後に出来た料理が美味しかったとして、心から美味しいと感じられると思いますか?「さすが!凄く美味しいよコレ」って言われて『嬉しい』『作って良かった』って思いますか?

 では、もし不味かったらどうでしょう。
「旦那が横から口を出すから不味くなったんだ」と思ってしまいませんか?
旦那さんに「これは美味しくないなぁ」なんて言われたら『お前の言うこと聞いてやってたのに不味かったんだろ!もう料理する気も失せるわ』『二度と口を出してくれるな』って思いませんか?

 

要は成功しても達成感はなくなり、失敗した時には口を出した人のせいにしたくなるんです。

 

これではその後に「もう一回あの料理に挑戦しよう!」とか「もっと美味しくなるように工夫しよう」とは思えませんよね?
 これでは成功しても失敗しても、その後の料理の上達は見込めません。新しい料理に挑戦した意味が無くなります

 やらない人から口を出されるとはこういうことです。

 では同じように「あの料理を作ってみよう!」と思って旦那さんに「○○作りをやってみようと思うの」と言った時に旦那さんに「おっ!いいね~。楽しみにしてるよ!」って言われたら『楽しみにしててくれるなら頑張って作ろう』って思えますよね!

 そして自分なりに頑張って作って出来上がった料理が美味しかったらどうですか?
「美味しい~!!」「嬉しい」って大きな達成感がありませんか?

 そこで旦那さんに「さすが!凄く美味しいよコレ!」って言われたら『作って良かった』『今度はもっと美味しくなるように工夫してみようかな』と思えますよね(^^)

 では逆に不味かったらどうでしょう。
自然と「何がいけなかったんだろう?」って考えて、「塩が少なかったのかな~」「下茹でし過ぎたかなぁ」とか失敗した要因を考えて改善しようと思ったり、『次は失敗しないようにしなきゃ!』って思えますよね?

 そして旦那さんが「今回は美味しく出来なかったかもしれないけど、いつも頑張って作ってくれてる事は知ってるから、お前なら直ぐに美味しく作れるようになるよそれよりもいつもご飯を作ってくれてありがとう」「もし今度挑戦する時に手伝って欲しいことがあったら遠慮なく言ってね」って言われたら失敗しても嬉しいし、次への励みになり『ここは手伝って貰った方が美味しく出来そう』と思う所があったら、次回作る時に「手伝ってくれない?」って言えますよね?

 これだと成功した時は達成感が味わえ次の意欲が湧いて、どんどん料理が上手くなるし、失敗しても『今度は失敗しないぞ~』って思えて次回の料理を上手くする糧になります。

 さっきとは大違い!成功しても失敗しても料理が上手くなるキッカケになります!
それに新しい料理に挑戦した事で新たな挑戦意欲も沸いてきます(^^)

 では、これを大会や審査に向けて自分なりにやっている子供に例えていくとどうなるでしょう。

 子供が「試合頑張ってみる!」「今度の審査挑戦してみる」と言った時に、お父さんやお母さんが『いつも見ているから、何が悪いのか、どうすれば良いか分かるな~』と思って「そうか!じゃあ私が教えてあげようか?」と言ってしまうと、まず最初のヤル気のテンションが落ちます。

実際に試合や審査に向けて稽古をしている時に
○○が悪い!」
「何故○○しないの?」
○○出来てない」
○○しないと勝てないよ」
○○しないと受からないよ」
「あぁ~何でそんなこと出来ないの?」
etc…

 子供にとっては料理中のアドバイスと同じで「大きなお世話だよ!」って思わすだけで、アドバイスではなく嫌味に聞こえます。
下手をすると大会や審査前に気持ちが折れてやる気が無くなります。

この状態で大会に出たり審査を受けたりしたら

分かりますよね

例え良い結果を出せたとしても達成感はとても低いものになります。
 
 もし結果が出なかったり失敗したら『余計なことを言ってくるからダメだったんだ!』『あんだけやらされてこの結果かよ(ダメだったのは親のせいだ)』と人のせいにする事を覚えさせてしまいます。

 そして大会前にすでに気持ちを折ってしまっていた場合は、本番に向けての稽古でもキツい事から逃げて手を抜いてしまうので、大会後も自分の心に対して『俺は本気を出してなかったから出来なかっただけ』と言い訳をし『本気でやっても結果が出ないかもしれない』という不安からもう一度の挑戦することが怖くなり、挑戦しなくなってしまったり、『本気を出してもダメだったら嫌だ』という不安から『本気を出していなかった』という事実を作る為に始めから本気で取り組まない事を覚えてしまいます。

 これではせっかく試合や試験に挑戦してもダメになるだけで、挑戦する意味が無くなるどころか下手をすればマイナスになってしまいます。

 ですから子供が「試合頑張ってみる!」「今度の審査挑戦してみる」と言った時はお父さんやお母さんは、例えば「そうか!頑張ってね!本番は絶対応援しに行くね」と声を掛けてあげるだけで十分です。
『見に来てくれるなら良いところを見せたい』と少なからず誰でも思うので、ヤル気スイッを入れるキッカケになります。

 もし時間的な余裕があるなら「もしミット持ちとか手伝って欲しい事があったら声掛けてくれれば手伝うからね」と、たま~に声を掛けるくらいで、あとは本人が「ミットを持って欲しい」と言って来ない限りは練習頻度も稽古内容も全て本人に任せて見守るだけにしてあげて下さい。

 もちろん審査に向けての時も同じで、本人が「悪い所が無いかちょっと見て欲しい」と言って来ない限りは、練習しなくても技が出来ていなくても口を出さずに見守るだけにしてあげて下さい。

 言い方は悪いですが、放っておけば(努力をするかしないか、稽古の質や内容も含めて)本人のペースで本人なりに本番に向けて考えて稽古してくれます。

 そうやって自分で決めて自分で課した稽古を経て挑戦し、良い結果が得られれば大きな喜びと達成感が味わえます。
 そして何かに挑戦をして良い結果を得る人は必ず努力をしているので「今まで沢山努力してきたもんね!本当におめでとう。私もとても嬉しいよ。」と伝えてあげて下さい。
こうなればヤル気は跳ね上がって次への挑戦意欲も溢れ出します。

 もし結果が悪くても、努力をしてなかった子供は「あんな稽古じゃダメだったんだ」と気付けます。
 自分なりに努力をしてきた子供は「悔しい!次はもっと頑張って勝つぞ!」と燃え上がります。努力を続けても勝てずに壁にぶつかった子供は「何が足りなかったんだろう?」「次はどうすれば勝てるんだろう?」と本当に強くなる為に必要な「悩み」を経験し、本気で改善する方法を考えてくれるようになります。

 これなら成功した時は達成感を味わえて次への意欲が湧くし、どんどん空手も上手く、強くなります。例え負けたり失敗しても次回の挑戦を成功させる為の糧に絶対になります。

「でもウチの子供は放っておいたら遊んでばかりで絶対やらないんです」

と言う方は居ますでしょうか?

まず間違いなく下記に当てはまると思います。

・普段から子供の習い事に口を出している。

・挑戦を決めた子供の稽古内容や稽古に対する姿勢などに対して親が不満を持っている。
・挑戦すること自体を本人ではなく親の意思で決めた。
・初挑戦で今の自分のレベルを本人が未体験でどのくらいやれば良いか分からない。

自分はそんな口を出して無いし、これには当てはまらないけど、うちの子はやらない

では、そう思った方に質問です。

 【今まで、子供が挑戦してきたことに対して「子供が挑戦すると口にした時から本番が終わるまでの間」一切口を出さずに見守ってあげていた事はありますか?】
 【例えば遊んでばかりでダメな結果だった後、次の挑戦の時も一切口を出さずに見守っていましたか?】

 例え練習方法や技術的な事を言わない方でも、子供が本番に向けた努力をしていないと、ほとんどの人が

「練習しないと勝てないわよ!」
「そんなんじゃ勝てるわけないだろ~」
「練習しないなら出るのヤメれば?」

といった言葉を掛けた事はありませんか?

 口を出さないとは「あなたがやりたい時は何時でもサポートしてあげるよ」という事を伝える以外、例え子供が本番に向けて何もしなかったとしても、何も言わずに見守ってあげる事です。

 「そんな風に放っておいたら試合に負けてしまうではないですか!」「そんな風に放っておいたら審査が受けれなくなってしまうじゃないですか!」「それじゃあ何時まで経っても良くならないじゃないですか!」

と思った方。

こんな言い方は失礼かもしれませんが、それでイイんです。むしろそれが良いんです。

 先ほども言いましたが、自分なりにやってダメなら今までの自分ではダメだという事を本人が自覚します。次もダメなら「やっぱりダメだった」と自覚します。

 だけど料理も同じですが、最初に失敗して不味かった、2回目もやっぱり不味かった。
じゃあその後も人に言われるまではずっと不味いままにしておく方はみえますか?

 変化の度合いは人それぞれ、何回目で大きな変化になるかは分かりませんが、絶対に少しずつでも本人の意思で「改善しよう」「改善したい」と考えるようになります。

この変化が待てずに口を出してしまったら、それまで口を出さなかった事も台無しです。

 

「うちの子は放っておいたらやらない」と、これまで口を出してしまっていた場合は、子供の思考が『何かに挑戦しようとすると努力させられる』になってしまって、今から改善をしようとすれば、もしかしたら2~3年、いや、もっと掛かる事もあるかもしれません。しかし何年も口を出して接してきてしまっている場合は、たった半年やそこらではなく最低そのくらいの期間は口を出さずに見守る覚悟が必要だと思います。

子供が何かに挑戦した時は

「努力した事で報われた」
「自分の努力で周りの人達を喜ばせてあげられた」

という経験はもちろん大切ですが、

「努力をしなかったせいで負けた・失敗した」
「他の子の活躍を指をくわえて見てるだけだった」
「努力したけどダメだった」

こういう経験も同じようにとても大切な経験です。

親にとっては子供の失敗や挫折は見たくない、辛いものかもしれません。

しかし、いつかは親元を離れる自立させてあげたいハズの我が子を『失敗や挫折したら可哀想だから』と口を出し「言わなくては出来ない子」「挫折や失敗を知らず、そこからの立ち上がり方が分からない子」に育てるのではなく、たとえ『今のあの子のままでは失敗や挫折を味わうだろう。可哀想だな~』と思っても「それを経験させてあげよう」「良い経験をさせてあげられる」と考えることでグッと堪え「失敗や挫折から学べる子・立ち上がれる子」に育ててあげて下さい。

 

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