熱中症対策
特に湿度が高く、急に気温が上昇する梅雨明け時期などから注意が必要になってきます。年齢や性別、体型などによって熱に対しての耐性が違うことは一般的にも知られていますが、同じ人でも寝不足や疲れなど、その日の体調によって熱耐性は変化します。
日頃から体調管理には気を付け、稽古に参加する場合は特に体調に考慮した生活を心が掛けましょう。もし体調不良などの場合は事前に申し出るなどして無理をしないようにして下さい。
稽古前や稽古中に各自で出来る熱中症予防
①稽古前に必ず水分補給
水分補給をして稽古前には体内の水分を十分に満たした状態にしておきましょう。事前の給水は熱中症を未然に防ぐことに役立ちます。
(特に外で遊んできた後などは意外と大量の汗をかいているので注意が必要。その場合はミネラルの補給も忘れずに)
②こまめな水分補給
理想はかいた汗と同量の水分とミネラルを一気にではなく、こまめに補給する。また摂取する飲み物は氷を入れておくなど、冷えた物を用意。(体内の水分やミネラルの不足は、運動能力の低下や意識レベルの低下が起こるため怪我の危険性が増してしまいます)
③体調がおかしいと感じた時は速やかに稽古を中断
体調の異変に気付いたら無理はせず、稽古を中断して先生に申し出る。
※熱中症の初期症状の主だったものは下記に記載
④ミネラルの補給出来る飲料などの用意
通常の生活においての水分補給は水やお茶だけで十分、スポーツドリンクなどはミネラル補給以上に糖質の摂り過ぎになるので注意が必要ですが、激しい運動で大量の発汗を伴う場合は、水やお茶だけではミネラル不足から熱中症になるので、スポーツドリンクなどを上手く利用して下さい。
(例え水分量が足りていてもミネラル不足は熱中症になります)
⑤稽古前に身体を冷やし過ぎない
稽古前に「今から暑くなるから」と、車や自宅のエアコンなどを必要以上に効かせて、身体を冷やしてしまうと、稽古時に急激な温度変化と体温上昇に身体が対応出来ず、身体的に大きな負担となります。
⑥体温を下げる為の用品を利用する
アイスノンや団扇などを用意しておき、休憩中に積極的に利用する事で体温の上がり過ぎを防ぎ、熱中症予防として大きな効果を発揮します。
普段の生活の中で脱水症状の兆候を自分で判断できると「今は脱水気味だから水分の摂取を増やそう」などの予防もしやすくなります。下記に尿の色で脱水症状を判断するための色別危険度を表した表を掲載致しますのでご参照ください。
個人差はありますが、尿の色が濃くなるほど脱水状態にあると思ってください。
※あくまでも参考程度なので自覚症状の方を優先してください。
人間は適応能力のある動物です。暑い環境に普段から慣れておくことで熱中症のリスクを下げる事が出来ます。逆に言えば普段から冷房の効いた部屋ばかりに居る人は熱中症のリスクが高まります。普段の生活で熱耐性を高めておきましょう。
熱中症の主だった初期症状
・めまいや立眩み
・手足などの筋肉の痙攣
・こむら返り
・吐き気、嘔吐、倦怠感
・頭痛
・汗のかき方が変わる(汗が出ない、出過ぎる等)
・体感的に感じる体内の異常な暑さ
・脈拍が通常より早い
このような症状が感じられた場合は直ちに稽古を中断し、先生に申し出るようにしてください。
当道場では稽古前に黒球付熱中症計(日本気象協会監修)でWBGT※1を計測。稽古毎に熱中症の危険度を把握してから稽古を開始しています。
気温によってTシャツでの稽古に変更したり、稽古内容や休憩時間を考慮して稽古を行います。
※1 WBGTとは湿球黒球温度(wet-bulb globe temperature)のことで、酷暑環境下での行動に伴うリスクの度合を判断するために用いられる暑さ指数。気温と湿度に加えて日射、照り返し等の輻射熱を黒球温度計を使って計測される。